ロルフィング ®︎とトラウマ解消への副次的な効果について

ロルフィング ®︎とトラウマ解消への副次的な効果について

この記事では認定ロルファー™️かつ、トラウマ解消に役立つソマティック・エクスペリエンシング®療法のプラクティショナーである筆者が、ロルフィング®︎がトラウマ解消へ与える副次的な効果について解説していきたいと思います。

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ロルフィング®︎とトラウマ

ロルフィング®はトラウマ解消を目的にはしていませんが、人間を常にホリスティック(全的)な観点からとらえていたアイダ・ロルフ博士は、次のように述べています。

「人間の攻撃性とそのもとになっている怖れの根源の一つは、人々が重力場という環境において、無意識ではあるが絶えず感じている不安定な感覚ではないだろうか。」

例えば、あなたは真冬に凍りついた地面の上を歩いた経験がありますか?

身体は非常に不安定で、「安全な場所へ逃げたい」という衝動、「転ぶかもしれない」という不安、「何となくコワイ」という怖れを感じたかもしれません。

また、「転んでたまるか!」と闘うような衝動からイライラ感あるいは怒りまで生じる場合もあるでしょう。

過去に転倒や事故などのトラウマ経験がある場合、平衡感覚は過度に弱まったり強まったりすることが多いため、絶えず不安定な感覚を得ていることはよくあります。
もし過去のトラウマ経験が怖れや怒りなどの情動と結びついていれば、身体が不安定な感覚を持つたびにその否定的な情動を誘発しているともいえるのです。

しかし、そのようなトラウマ経験がなくても本来身体は繊細なバランス感覚を持つため、日常生活の中でのわずかな不安定な感覚も無意識であれ受け取っています。

したがって、不安定な感覚を得ても怖れや攻撃性に結びつかないようにするためには、誰もが柔軟に適応できる身体のバランスを整えてくことがとても大切になります。

例えば、波乗りをしているプロのサーファーを想像してみて下さい。非常に不安定な波の上でも不安定な感覚を瞬時にリセットできるバランス能力があるため、怖れや攻撃性という情動に結びつくことは稀なのです。むしろ、喜びや楽しみ、あるいは無我の境地を堪能している状態にいるといえるでしょう。

結局、重力に対して身体のバランスが取れないというのは、私たちが意識していなくとも心身ともに絶えず重力と闘っている状態なのです。

この不安定な感覚こそ、怖れや攻撃性の根源の一つではないか、とアイダ・ロルフ博士は述べているのです。

 

これに対し、身体が重力と調和すると何が起きるのでしょうか?

「重力は整合性のとれていない身体にとって、ストレスを引き起こす大きな原因となる。一方、身体がバランスを整えると重力が身体を癒す。」 (アイダ・ロルフ博士)

全身が重力と調和したとき、頭上から足裏まで重力が通り抜ける感覚が生じます。

この時、大地につながる下降力と天へ向かう上昇力が身体の中で絶妙なバランスをとるため、軽量感を感じます。いわゆる“ゼロポイント・フィ-ルド”に入る感覚、“空の世界”へ導いてくれる状態ともいえるでしょう。

また同時に、余計な生存本能(闘う/逃げる/凍りつく)を働かせる必要がないというメッセ-ジを身体は感覚で受け取りやすくなります。これにより、身体は無駄な不安や怖れを潜在意識にため込むパタ-ンを減らしていきます。


つまり、自分を守るためや重力とバランスをとるためにエネルギーを過剰消費する必要がなくなります。その結果、これまでサバイバルモードで過剰消費していたエネルギーを創造性など別のエネルギーへ使えるようになり、高次の意識へもシフトしやすくなるのです。

ロルフィング®︎の具体的な効果についてはこちらの記事をご参考下さい。
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